大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)2827 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人A、同Cの負担とする。

理 由

被告人の上告理由は、本事件の検挙に違憲があり、原審は拷問、強制による自白

を唯一の証拠としたもので憲法三八条に違反するというのであるが、所論の根拠と

する事実は少しも認められず、補強証拠も挙示されているのであるから、違憲の主

張は前提を欠き採用できない。

弁護人福田力之助の上告趣意は、原判決に判断遺脱があるとし、これを前提とし

て違憲を主張するのであるが、原判決の福田弁護人の論旨第一点についての(一)

をみると、所論Bの裁判官に対する供述調書の証拠能力のあることについて判断し

ていること明らかであるから、論旨は前提を欠き理由がない。

なお、援用にかかる成富弁護人の論旨の理由ないことも後記のとおりである。

弁護人成富信夫の上告趣意(被告人Aに関する第一、二点、被告人Cに関する第

一点)は、原判決は論旨に引用する判例と相反する判断をした違法があるというの

であるが、原判決が引用の判例と相反する判断をしたものでないことは原判文上明

らかである。のみならず、別件の記録によれば被告人Aにおいても所論証人Bの裁

判官貞家克己に対する供述調書を証拠とすることに同意し、右調書の証拠調がなさ

れたことは、公判の審理分離前の公判調書並びに添付書面(昭和二七年(わ)五八

号被告人D他一名に対する不法監禁等被告事件記録)によつて明らかである。

なお、被告人Cは他の被告人等の暴行についても共犯者として責を負うのである

から、所論殴打の回数に誤認があつたとしても判決に影響ない。

被告人Cに関する同弁護人の上告趣意第二点は、事実誤認の主張であつて、刑訴

四〇五条の上告理由に当らない。また、本件には刑訴四一一条を適用すべき事由は

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認められない。

よつて刑訴四〇八条、一八一条(被告人A、同Cに関し)により裁判官全員一致

の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年五月一〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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